全国的に猛暑日が多い中、新陳代謝が活発な妊婦さんは体温が平熱より0.5度くらい高く、夏は日常生活を送るのが大変な時期でもあります。
快適に過ごすためのコツと、妊娠中は特に気を付けるポイントをご紹介します。
エアコンをつけてもいいの?
冷房での冷えが赤ちゃんを冷たくしたり、悪い影響を与えることはありませんので、暑いときは我慢をしないでエアコンをつけましょう。
冷房なしで熱中症や脱水、疲労がたまって体力がなくなることの方が問題です。
冷たい風を体に直接あてて、極端に冷やしすぎないようにしましょう。
お母さんの体が冷えすぎてしまうと血流が悪くなり、おなかが張りやすくなったり、足がむくんだりします。
靴下やレッグウォーマーを履いたり、上着やストールで調整するといいでしょう。
またエアコンは空気が乾燥します。乾燥するとのどや鼻の粘膜が正常に働かなくなり、ウィルスや雑菌に感染しやすくなるので湿度は60%に保つようにしましょう。
コロナ感染の対策で、換気もこまめに行いましょう。
外出はしない方がいいの?
妊娠中の運動不足が気になったり、臨月近くになると「たくさん歩きましょう」と言われ、歩くことを日課にしていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
しかし夏は日差しも強く、汗をかいて体力を消耗します。
日中(10~15時頃)にずっと外にいることは避け、夕方の涼しい時間帯に散歩をしたり、冷房の効いた図書館や近場のショッピングモールで気晴らしするのもいいですね。
トイレも完備されているため安心です。
水分補給をしっかりと行う
体がむくみやすくなる妊娠中、水分を控えたくなる方がいるかもしれませんが、夏は汗をかきやすいので、のどが渇く前に水分はこまめにとりましょう。
ついつい冷たい飲み物を飲みたくなりますが、内臓が冷えると血流が悪くなるので常温の飲み物も取ると良いです。
また車の中など、水分をあまり摂らずに長時間じっと座ったままでいると、水分を失った血液になり、下肢の静脈に血栓(血の塊)ができて、車から降りて歩き出した時に血栓が動き出し、肺動脈に詰まって呼吸困難になるエコノミー症候群(肺血栓塞栓症)になることもあります。
妊婦さんは一般のひとに比べて5倍も血栓症が起こりやすいといわれているので、手足を動かしたり、水分補給はしっかり行いましょう。
睡眠をちゃんととって体調に気をつける
熱帯夜になると寝つきが悪くなり、胎動やトイレなどで眠りが浅くなる人は多いでしょう。
クーラーをつけたり、通気性・吸湿性のいい下着や衣類を身に着けたり、保冷剤を首に巻いたりして、快適に睡眠できる環境にしましょう。
快適な睡眠には入浴も大切です。ぬるま湯(38~39度程度)に5~10分つかってリラックスしましょう。
生ものの食べ物には気をつけましょう
夏は暑さで食べ物の鮮度が早く落ちます。
また妊娠すると、免疫機能が低下するため食中毒を起こしやすくなります。
厚生労働省では加熱しないまま食べるものについて、妊婦さんに情報提供をしているので、一読しましょう。
参考
妊娠中は無理をせず、ご自身の体調と相談しながら過ごしましょう。
暑い日はお家でゆっくりするのも大事なことです。
作成日:2022/08/12